相手に言ってはいけないNGワード

私はコンサルという仕事をやっていますが、
クライアントに対する、
「これを言ったらおしまいだ」というNGワードを自分の中に持っています。

コンサルさんで「なんで言われたことができないの?」
と憤っている投稿見ますが、あれも私からするNGワードです。
上司や先輩から部下、後輩の場合も同じです。
他人と自分は全然違う人間で、出来る出来ないも千差万別。

自分が簡単に出来ることが、相手にも出来ると考える方が傲慢でしょう。
特に自分とは全然違う思考体系の人のことは理解出来ないので、イライラしたり憤ったりします。

行動面も、すぐに行動にうつせる人、慎重で考えてから動く人といます。
どちらが良い悪いではなく、ただの個性です。

自分を全部基準にして人を良い悪いで判断している人がかなり多いですし、
それでは良好な関係性は構築出来ないし、相手を萎縮させる原因にもなります。
ビジネス関係、友人関係、家族関係でも全て同じです。
自分から関係性を悪化させるようなことは避けましょう。

相手を否定するNGワード
●相手の好きや趣味に対して「なにそれ?」「理解出来ない」などのニュアンスを言う。

人には色んな好きがあり、人によってはマニアックだったりもします。
自分には理解出来ない趣味の人もいるでしょう。
でも反社会的でない限り、それは本人たちの自由で、他人がそれを評価したりジャッジする権利はありません。

偏見と差別も同じです。
自分の偏見と差別的志向は相手にとって何も関係がないのです。

私も昔、自分の趣味に対して「なにそれ本当に理解出来ない」
と言われたことがありましたが、あなたに理解してもらわなくても結構です、
と思ったし、まあ嫌いになりますよね、その人のこと。

相手の好きを絶対に否定してはいけません。
「なんで○○なんてやるんですかね、信じられない」
という言動も、相手を尊重せずに自分の考えを押し付けています。
これ、影で言えば歴然とした悪口です。

*例外で本人が信じていることをやたらと勧めたがる、共感してほしいなど、
自分に対するアプローチが過激な場合は、否定は避けつつ自分はそれに興味がない、と言うことをはっきり伝えましょう。

●「なぜ出来ない」「どうしてやらない」と責める。
これは日常でも会社でもネット上でもよく見ます。
頭ごなしに怒る場合もあるので、本当に注意が必要です。
これを言われた人は、たいてい萎縮してしまうし自信を無くします。

萎縮して自信を無くした人が、最高のパフォーマンスを発揮出来るでしょうか?
自分は育成しているつもりなのかもしれませんが、逆効果です。

相手の「出来ない」を深掘りしたことはあるでしょうか?
なぜ出来ないのか、それは能力なのか、性格なのか、資質からなのか、
もしくは相手がそもそも理解出来ていたのかどうか。
「出来ない」にも様々な理由があり、もしその方法が本人に合ってない場合も出来ません。

でも合った方法がわかれば、出来るようにもなったりするのです。
私はある程度相手の「出来ない」は指導側に問題があるんじゃないかと思っています。

自分がうまく行った方法論を持ち出している場合も多いし、相手の個性や能力をきちんと見ていない場合もあります。

人間必ず、出来ること出来ないことがあります。
出来ないことばかりにフォーカスを合わせ責めていれば、いずれ相手は潰れます。
出来ることに注目し、出来ないことは出来ることでカバー出来ないのか、他の人の方が適任ではないのかまで、考えましょう。

クライアントに対してもそうですが、マネージメント上でも大切なことです。
私は相手と一緒に、どうカバーするのかを話し合い考えれば良いのにと思ってます。
なんでもかんでも指導する側が考えなければいけないわけでもないし、
一緒に、じゃあ今後どうしましょうか、と話し合い一緒に答えを見つけていけばいいと思うのです。

●「何度も言ってるでしょ」「前にも言ったよね」
このワードは、配偶者にも子供にもあんまり言わない方がいいでしょう。
上の出来ないに注目するのと似てますね。
ただ言い方が変わっただけだと思います。

言われた方は萎縮するか、カチンときます。
身内家族なら「お前はどうなんだ!」と反撃される可能性もあります。
仕事関係なら、これを言う人はよくない指導者だと言えます。
相手に二度と同じ質問をさせないようになるし、その結果自分なりの解釈を元に仕事をすすめ、パフォーマンスが落ちたりします。

前にも言ったのに出来ないということは、その1回で理解していないのかもしれないし、本人がさほど重要じゃないと思っている可能性もあります。

例えば夫に「なんでトイレの電気消さないの?なんども言ってるじゃない!」
と怒る妻がいますが、夫からすればトイレの電気はさほど重要じゃないので
なんで妻が怒っているかを理解出来ません。
やり過ぎれば険悪な雰囲気になります。

憤っているのはこちらの責任なのですから
現状と自分の気持ちをどこかで折り合っていくことが大切かもしれませんね。

上記については実際私が気をつけていることです。
これを使わなくなってから、人間関係やクライアントとの関係も抜群によくなりました。

相手と自分は違う人間で、何を大事にし、何を大事にしていないかも全く異なるというのを前提にコミュニケーションを測っています。

私はそうは思わないけどあなたはそう思う。
あなたはそう思うけど私は思わない。

それでは、お互いにどうしたらいいのかを検討して行きましょう。
というのがコミュニケーションです。

そこには自己理解と他者理解の勉強が必要になります。
自分はどうで、相手はどうなのか、の出発点となります。
ある程度年齢を重ねれば誰でも指導的立場になったり、相手を理解しないといけない場面に遭遇します。

私は性格分析ワークショップに出た時に、一気に自己理解他者理解が進みました。
相手のタイプによって指導法を合わせることで
仕事のコンサル業や講師業にも素晴らしい影響が出ています。
クライアントの成果もめざましいものがあります。

そして自分が今までどれだけ自分勝手なことをしてたんだろうという反省にもなりました。
コミュニケーションは相手との違いに橋をかける行為です。
このNGワードを気をつけると共に、個性の違いを認識していきましょう。