人が信じられない、人が信頼できない、
という人は多くいます。
生きて行く中で、仲が良かった人は何かの理由で去り、
仲間だと思っていた人に裏切られ、
何もしていない人に、理不尽に傷つけられる。
そんな経験をすればするほど、
私たちは他人に対して疑心暗鬼になっていきます。
見捨てられることを恐れ
嫌われることを恐れ
去られることを恐れ
裏切られることを恐れる
ならば最初から人を信頼しなければ
何かあっても、傷つかないでいられるんじゃないか、
って考えるのは不思議ではありません。
でも、それでもやっぱり傷つくのです。
信頼しなくても、信じていなくても、
やっぱり傷つくのが人間なのです。
だって、私たちはどこかで相手を信じたいって思っているから。
どこかで、信頼を寄せ、相手を信じ、相手を愛したい と思っている。
私は人間は、いつも何かを愛したい動物だと思っています。
何かを愛さずにはいられないのが人間なのです。
愛するのが自然な生き物です。
いつか他人は自分を裏切る、と思っていても、
愛さずにはいられないのです。
強く強く信じまいと思っていても、
心のどこかで、相手を信じたいと思っている。
きっと誰もが経験していることだと思います。
傷つく、という体験は哀しいけれど、
傷つくほど、愛していた、ということでもあります。
傷つくほど愛していた。
傷つくほど大切な人だった。
傷つくほどに。
その体験が、今度は同じように傷ついている人の助けになります。
その体験が、あなたの人生の彩りになり、ますます光は濃くなって行くでしょう。
愛さずにはいらないのと同じくらい、
傷つかずにはいられないのかもしれません。
私はあの人を愛していた。
という事実がそこにある。
人はどれだけ傷ついても、そこから這い上がれる力を持っています。
それはどんな人にも備わっているのです。
今は誰も信じられないかもしれないけど、
また誰かを信じられるようになります。
私たちは自分で思っているよりも、強いのですから。